morning , morning , morning !!

 その朝も、俺にとっては普段と何も変わらない爽やかなものだった。いつでも結局することはだいたい同じだ。人間と違って、出勤したり登校したりする事はない。
 まず、朝、夢から醒めたら背伸びをする。それから顔を洗って、朝食の準備にとりかかる。寝ているバブとミストはすっかり落ち着いてから起こすことにして、まずはオールドデュトロノミーの分を一番先につくる。それをすぐ隣の教会へ届けた後、自分達の分をつくる。諸事情で少し多めに飯を炊く。たまに もその頃まで寝ているときがあるが、 は大抵俺よりも早く起きて庭の草花に水をやりながら、歯を磨いていることが多い。
 ひと段落ついたら、 が淹れたコーヒーを一杯もらう。そうすると、大抵ひょっこりとどこかの窓から派手な身なりの幼馴染が朝食をたかりにくる頃になる。それから子供達を起して、本格的な朝食をとる。これが俺達のいつもの朝。

「おい、マンカス。塩くれ、塩」
「タガー。お前な、醤油とか塩とかかけ過ぎなんだよ、不健康だぞ」
「かってーこと言うなよなあ。いーじゃねえかよ、なーミストー」
「そのまま塩分の過剰摂取で死ねばいいのに」
「朝からなんて会話してるのよ、あなた達は」
「なんでもないよ、おはよう
「ええ、おはよう」
「今日もキレイだな 、そんなわけで俺に茶を淹れてください」
「我が物顔だね」
をこき使うなんてお前は何様だ、それぐらい自分でやれ!」
「いいのよ、プリーズ付けてるし…ついでだから全員の淹れてあげる。濃いめ?薄め?それともミルク?」
「俺、薄めでヨロシク」
「僕も」
「バブはミルクがいいでーす!」
「マンカスは?番茶?」
「……すまない、頼む」
「うわっじじくせえ」
「黙れ派手好き。喋ってないでさっさと食べて帰れ」
「(もしかしてマンカス結構怒ってるかも)」
「ミストお兄ちゃん、バブにそのジャムとって〜」
「はいどうぞ。塗り過ぎないようにね」
「(今日も可愛いな…シラバブは…)」
「鼻の下伸びてるわよ……」
「お、サンキューさっすが 、茶淹れは上手いなー」
「褒めても何も出ないけど、淹れてるすきに私のハム食べたのタガーよね?」
「おっ、俺は何も知らねえよなんのことだ?(ヒュー♪)」
「目が泳いでる上に、口笛下手だよ」
「うっうるせ!そっそれよりこのスクランブルエッグうめえな!な!」
「ああ、それは自信作なんだ」
「だ、だろ〜やっぱりな〜!」
「ついでに言うと、お前には一生出せない味だ」
「(真顔で言うなよ)」
「マンカスは私より料理がうまいから、頭があがらないわ…」
「そ、そんなことは…!( の料理のほうが何万倍もいいに決まってるのに)」
「(あ、何か思ってるけど言えないって顔してる)」
「バブ、この卵焼きすきだよ!おいしいもん!」
「…そ、そうか?」
「うん!」
「そ、そうか…好きか…じゃあ、バブの為にもっとがんばって美味しいものをいっぱい作るからな!(でれー)」
「(さっきから顔がゆるみっぱなしね)」
「あっ、ちょっとタガー、そこからは塩分警報。見ててこっちがしょっぱいよ」
「うっせーな!だから俺の勝手だろってば!」
「タガーおにいちゃん、お塩、おいしい?」
「おうおうバブも食え。うめーぞ、塩焼きに、塩&醤油」
「バブに変なことを教えるな」
「あとな、味噌汁にコショウもうめえぞ。粉チーズ入れるのもうめーの。今度試してみろよ、なー」
「タガーお前バブに変な事吹き込むな!!!」
「マンカス、食事中に唾飛ばして怒らないで。そのほうが行儀悪いから」
「…!(そんな!)」
「ともかくこんな奴のやることは真似しちゃだめだよ。早死にするよ」
「…!(そんな!)」
「食事はきちんとしましょうね」
「はーい!」


終。